・特定機能病院として最先端の脳神経外科診療と24時間の緊急診療体制の実践、および、富山県内外の関連施設との連携による地域医療への貢献を通じて、患者さんの信頼に応えられる高レベルの診療を目指しています。
・脳腫瘍、脳血管疾患(脳卒中)、脳腫瘍、頭部外傷、脊椎・脊髄疾患、機能的疾患(三叉神経痛、顔面痙攣、パーキンソン病、難治性てんかん、慢性疼痛、遷延性意識障害)、水頭症、小児神経奇形などの脳神経領域の各種疾患に対して、手術や血管内手術を中心とする専門的治療を総合的に行っています。重症例が多く、1年間の総手術数は約300~350件です。脳血管疾患では、執刀による直接外科手術と脳血管内治療を両立し優れた成績をおさめています。
・頚動脈狭窄症に対する頚動脈内膜剥離術、もやもや病や頚動脈閉塞症に対するバイパス手術、脳動脈瘤に対するクリッピング術では、国内外のトップレベルの実績を有しています。もやもや病に関しては、県外・海外からの患者さんの依頼にも応じて治療しています(黒田、柏崎)。黒田は、日本脳卒中の外科学会の技術指導医に認定されています。
・脳腫瘍手術は神経膠腫、髄膜腫、前庭神経鞘腫、下垂体腫瘍などを中心に摘出手術を実施しています。術中ナビゲーション、脳機能モニタリング、神経内視鏡、3次元コンピューターグラフィック、3Dプリンティングなどの最新技術を導入し、治療成績は著しい向上を得ています(黒田、赤井、永井、富田)。
・難治性てんかん、顔面痙攣、三叉神経痛、舌咽神経痛、痛みに対する機能的手術、パーキンソン病などに対する定位脳手術などの手術で、良好の機能予後を得ています(黒田、富田、柏崎)。
・脳血管内治療:脳動脈瘤に対するコイル塞栓術、頚動脈狭窄症に対するステント留置術、硬膜動静脈瘻に対する経動脈的・経静脈的塞栓術、脳腫瘍に対する術前の栄養血管塞栓術、超急性期脳梗塞に対する血栓回収療法などが主なものです。脳動脈瘤の一部ではパイプライン®︎と呼ばれるステントを使用する最先端の治療があります。これが施行できるのは北陸地区では当科だけです。頭を切らない反面、特殊かつ高度な知識と技量が求められ、指導医、専門医といった資格を有する必要があります。2009年度には脳血管内治療の全国学会を富山で開催したほか、毎年、富山で教育講習会を開催しています。治療材料や機器の開発も日進月歩で、最新の最適な医療をいち早く供給し、病状の改善につとめています(桑山、秋岡、柏崎)。桑山、秋岡は日本脳神経血管内治療学会の指導医、柏崎は専門医に認定されています。
・神経内視鏡による手術は侵襲が小さく、患者さんにとってもやさしい診断・治療法です。さまざまタイプの水頭症、脳室内近傍の脳腫瘍、下垂体腺腫などに対して、わが国をリードする実績を有しています(赤井、永井、富田)。赤井は神経内視鏡技術認定医の資格を有しています。