脳動脈瘤の破裂はクモ膜下出血を招きます。救急医療に携わる数多くの方々の長年にわたる努力にもかかわらず、現在もクモ膜下出血をきたした方の約40%が死亡あるいは後遺症を残しているのが現状です。
最近のわが国における大規模研究UCAS Japanによって、6697個の未破裂脳動脈瘤の自然歴が明らかにされました。その結果、未破裂脳動脈瘤は年間0.95%の確率で破裂することが判明しました。特に、大きな脳動脈瘤、内頚動脈−後交通動脈分岐部や前交通動脈に発生した動脈瘤、ブレブを伴う動脈瘤が破裂しやすいことも明らかとされました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22738097
しかしながら、5㍉未満の小さな脳動脈瘤の破裂を効率よく予測するための方法論は確立されていないのが現状です。最近、当科の柏崎大奈医師が1134例の破裂および未破裂脳動脈瘤の形態を解析した結果、5㍉未満の脳動脈瘤の場合、母血管に対する脳動脈瘤のサイズ比(size ratio)が破裂の有無に大きく関与していることが判明しました。Stroke誌に掲載されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23743979